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「大丈夫だよ!私が大輝のことずっと守ってあげるっ!」
「……本当?」
「本当だよ! 絶対に守ってあげる!」
あぁ、これは、昔の、どうしてこうなってしまったのだろう。
懐かしい感覚とともに目が覚める。
あれは昔の、本当に昔の記憶で、それを夢として見てしまうくらいに私は疲れているのだと感じる。
「はぁー。」
額に手を当てながら学校に行きたくないな、と考える。
しかし、学費を親に払ってもらっている以上、そうはいかないのだと半ば諦めるように私は重い体をベッドから降ろした。
私は四宮悠華、東京にある私立高校の二年生。
性格は、至って普通の、どちらかと言えばおとなしい、静かな方だ。
昔は自分でも自覚があるくらいには明るく、活発的で正義感もあった。
そんな私が、今の性格になった原因は、私の幼馴染の佐藤大輝にある。
彼は昔、泣き虫の引っ込み思案だった。
それが中学に上がったくらいにスカウトされ、モデルとなってから彼は変わった。
今ではみんなに愛される、明るい性格になった。
しかし、それが良くなかった。
彼の人気とともに、私は嫉妬から学校でいじめられるようになった。
私は彼から距離を置こうと考えた。
でも、それは出来なかった。芸能界とは厳しいところらしく、よく、いきなり私の家に来ては、弱音を吐いている姿を見ているとほおっておけなくなるのだ。
それが更にいじめを助長しているのだが、私はやはり彼をほおっておくなどできずに学校ではいじめを受けているというわけだ。
大輝も同じ高校に通ってはいるが、違うクラスであり且つ仕事でよく学校を欠席することもあり、私がいじめを受けていることなど知らないというわけだ。
そうこうしているうちに学校に行く準備も終わったので、私は重い足取りで学校へと向かった。
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