年下彼女の効能

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年下彼女の効能

37度8分の熱。 今日も大事な取引がある。 スーツに袖を通した時、呼び鈴が俺を引き止めた。 と同時にガチャリとドアノブが回り、見覚えのある茶髪が胸に飛び込んでくる。 「逃がすか社畜めー!」 叫ぶ彼女の腕には大量のレジ袋。 いつもの解熱剤のパッケージが透けて見える。 (……参ったな……) 子供をなだめるように、頭をポンポンと撫でる。 こうなったこいつはもう止められない。 俺は痛みが和らいだ頭で、課長への言い訳を考えていた。 【end】 三題:『頭痛薬、スイッチ、合鍵』 ※あえてお題の単語を使わず別の単語に置き換えました(頭痛薬=解熱剤、スイッチ=呼び鈴、合鍵=ガチャリとドアノブが回り)。
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