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呆れながら巴に近づく勇。その瞬間、大広間の扉が開いた。入ってきたのは俊子であった。 「あ、叔母さん。ともちゃん漏らしちゃったみたいで……」と、勇が言うと同時に俊子の顔は鬼の形相となり、一気に勇の元に駆けより、その頬に思い切り平手打ちを放った。勇は自分が激しい痛みの中で自分が殴られる理由の心当たりを探すが全く見つからない。 「こんな小さい子供裸にして何するつもりだったの! この変態が!」 俊子が見たのは、ズボンを脱いで下半身はショーツのみの巴。その前に立つ勇を見て、巴にイタズラをするつもりだと思い込んだのである。胸ぐらを捕まれ殴られ続ける勇。その手が僅かに止まった瞬間、勇は涙声で叫んだ。 「僕、何もしてない! ともちゃんが勝手に脱いだだけ!」 「言い訳するんじゃない! こんな小さい子に手を出すなんてケダモノにも劣るわね! やはり鬼子か!」 勇の顔が膨れ上がり、鼻血が出るまで殴られた。それから勇は押し倒され、下に履いていたハーフパンツを足まで下ろされた。その時に勢いが余りブリーフまでも脱がされてしまった。勇は頬の痛みに耐えながら丸出しになった股間を隠す。しかし、強引に手をどけられて再び股間を丸出しにされてしまう。 「こんな先細りのミョウガみたいなのでも悪さをするところだ! あたしはよく知ってるんだ! ちょん切って悪さを出来ないようにしてやるよ!」 俊子は自分のバッグよりソーイングセットを出した。ソーイングセットの小箱から糸切りバサミを出し、試すように何回か切る動作をする。その間に勇は這って逃げようとするが、首根っこを掴まれて再び押し倒される。 「嫌だーっ! 誰か助けてーっ!」 この十二年の人生で初めての懸命に必死の助けを求める勇の叫びである。 だが、その叫びを聞くのはその横で泣き喚く巴のみ。 「暴れるんじゃないよ! お兄ちゃんみたいに大人しくなさい! お兄ちゃんは素直だったよ!」 必死に股間を隠す勇。このままでは切れないと判断した俊子は勇の着ていたシャツを手首まで捲りあげ、そのままぐるぐる巻きにし、両手の動きを封じた。両足は俊子がそのまま座る事で動きを封じられた。 正に手も足も出ない状態である。俊子は左手で勇の股間の先端を摘み上げた。そして、広げた糸切りバサミの両刃の間に股間の根本を挟み込んだ。 「嫌だ! 嫌だーっ! 助けてよ!」 「これでもう悪いことは出来ないよ! 覚悟をし!」 泣き喚く勇、俊子はその劈くような慟哭や悲鳴が耳に入っても躊躇う様子はない。
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