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「やってもない事を謝る必要なんかありません!」と、奈緒美が慶を怒鳴りつけた。 「なぁ、少しは考え直してくれよ。父ちゃんや母ちゃんが悲しむだろ? もう少し話し合いをしてさぁ」 文が離婚を思いとどまるように促した。だが、奈緒美の決意は硬い。 「あなたのことは今でも愛しています。こうして両親を思う優しいところも好きでした。でも、それが我が子の不幸を招くとなれば…… もうあなたと続けることは無理です。今までお世話になりました。ごめんなさい」 奈緒美は勇の手を引いて共弥美本家の屋敷から去っていった…… 後日、奈緒美が届けた離婚届に文のサインが入り離婚が成立した。 親権は当然、慶は文が引き取り、勇は奈緒美に引き取られた。 こうして、奈緒美の12年にも及ぶ俊子との戦いは幕を閉じた。
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