#.23 エピローグ

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   活発な声がふたつ、どちらからともなく聞こえ、ばたばたと自室に向かう。相変わらずだ、しかし元気でいてくれればそれでいいと微笑ましくひと瞬きし、彼らに呼びかける。 「おかえりなさい。2人共、帰ったらちゃんと手を洗うのよ!」  声を飛ばしたその先で、元気よく「はぁい!」という返答を聞きながら、一体誰に似たのだろうかと苦笑し、くるりと部屋に向かって踵を返す。  ちらと視界の端に入ったカレンダーの日付は、5月10日。ーー後5日で自身の誕生日だ。  先ほど見た昔の夢のせいだろうか。そうだ、今日は思い出のあの料理にしようと思い立ち、リンは懐かしさを引き連れ、トマト缶を取りに収納庫があるキッチンへと歩みを進めるのだった。  R×L ―immortal days― 《完》  
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