#.03 side L ‐熱を覚えた‐

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   彼のことだから、きっと他の子にも自分にしてくれたのと同じように優しく接するはずだ。そんなところ、見たくはない。  少しの間の後、ゆっくりと彼が開口する。 「友達が出来るのはいいことだ。それにリンの友達なら、いつでも大歓迎だよ」  やはり、といえるだろう。ふたつ返事で了承をくれたハルの言葉に、複雑な心境を圧し隠し、喜びだけを全面に出して目を輝かせ声を飛ばす。 「ありがとう!」  いつでもとは言っていたが、出来るだけ彼のいない時を狙おう。そんなことを考えながら、残りのケーキを頬張った。  
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