プロローグ

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それからもそんなやり取りを何回か繰り返し、向こうも私の名前を覚えてくれたようだった。  「香さんってかっこいい名前ですよね。僕たまに字面だけだと性別間違えられちゃうので憧れます」 「ありがとうございます、それと敬語じゃなくていいですよ?」 「じゃあそうするね」そう言った顔がちょっと嬉しそうに見えたので、私も少しいい気分になった。  「今は高校生でみんな大人になったからいいけどさ、幼稚園とか小学校だと男みたいってからかわれたりしてたんだよね」 「俺も昔は結構そういうの言われた!!」 「結構大変だよね~」  この後も「性別間違えられるあるある」の話をした。  初対面の人と話さなきゃならないのは正直無理だと思っていたけれど、意外と大丈夫で、むしろ楽しいくらいだった。
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