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探し歩く少女
くるみは親に捨てられ、一人で流浪していた。一見すると孤児には見えない。そのため、誰も声をかけてはくれなかった。くるみはお腹が空いていた。
「お腹空いたよ?、何か食べたいよ?。でも、どうやって買えるのか分からないよ…。」
そう悩んでいるところへ、一人のお姉さんがやってきてくれた。
「お嬢ちゃん、お腹空いてるの?それなら、うちに来てもいいよ。ごちそうしてあげる。」
「ほんと!?やったー!ありがとう!!」
くるみはそのお姉さんについていった。そのお姉さんはミオさんと言うらしい。話をしていくうちに、家がレストランということが分かってきた。くるみは大喜びだ。そして、ハンバーグをご馳走してもらった。
「ありがとう!すっごく美味しかった!」
ミオはくるみの無邪気な笑顔にすっかり心を奪われてしまった。そして、事情を聞くと、くるみを預かってくれると言ってくれた。しかし、そこへミオのお父さんがやってきた。
「お父さん、この子くるみちゃんて言うんだけど、どうやら孤児らしいの。うちで預かってもいいよね?」
「ん?預かる?その子を?だめだ!そんな見ず知らずの子を預かることなんてできん!それにサクラもいるじゃないか。捨ててこい!」
ミオは反対する父と議論をした末
「ねぇ!別にいいじゃん!私が責任を取るから!」
「本当にいいんだな。金のこととかも全部お前がやるんならいいぞ」
「やる!くるみちゃんを助けたい!」
父は必死なミオの姿に負けて、くるみを預かることに賛成してくれた。
議論は1時間かかった。
「くるみちゃん!やったね!一緒に暮らせるよ!同じくらいの歳の子が一人いるから仲良くできるね!」
そうミオはくるみに声をかけたが、そこにくるみはいなかった。そう、父の『捨ててこい』が心に刺さり怖気づいてしまったのだ。
くるみは居酒屋が並んだ通りを歩いていた。
「ミオさん優しかったんだけどな、ごめんなさい。もう、歩き疲れたよ」
すでに23時を過ぎていた。
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