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入学式
ついに入学式の日がやってきた。
くるみは朝から飛び跳ねていた。
「わーい、小学校だーー!!」
「みんなと仲良くするんだよ」
「はーい!」
「あ、そうだ。入学祝いでプレゼントがあるんだ」
「え、ほんと!?やったーーー!!」
「はい、ストラップ。ランドセルにつけるといいよ」
「ありがとう!」
「じゃ行こっか」
「うん!」
二人は小学校に到着した。
ここで二人はお別れだ。生徒と保護者は別れて、入学式が始まるのを待っていた。
そして、近くの席の子たちと話していた。
「楽しみだね!」
「うん!早くママとパパに見せたいなー!」
「そうだよねー!」
くるみは話にあまり参加できていなかった。なぜなら、ママもパパもいないからだ。しかし…
「くるみも!くるみには優しい人がいるんだー!」と、ヒデアキのことをたくさん話した。みんなは、そんなくるみのことをすごく羨ましがった。
「いいなー!そんな優しいんだー!」
もちろん、実のパパでないことは言っていない。
そうしているうちに入学式が終わり、それぞれ保護者のもとへ帰ろうとしていた。
「くるみちゃんのパパに会いたいな!」
「私も!」
そんなふうに言われて、くるみは嬉しかった。
「ちょっと待ってね!ヒデアキさーん!くるみ終わったよー!どこー??どこにいるの????」
しかし、ヒデアキは姿を現さなかった。
「帰っちゃったのかも。ごめんね。また今度だね」
「うん、楽しみにしてるよ!」
くるみは小学校を出た。くるみは皆とは少し離れた地区に住んでいたため、周囲には人がいなかった。
「早くヒデアキさんに会いたいな。」
その時だった。
「ねえ、お嬢ちゃん。美味しいものあげるからこっちにおいで。」
黒い服に身を包んだ男が声をかけてきた。
知らない声だ。くるみは瞬時に怪しい人物だと判断して、断った。
「知らない人について行っちゃだめだってお姉ちゃんに教えてもらったの。だから、ごめんなさい。」
男は少し止まって、誰かと合図を取り合っているような素振りをしていた。しかし、くるみはそれが合図だとは気づかずに、また帰ろうとしていた。
その瞬間
キキーー!車が目の前に止まった。
「おい!乗れ!早く!」
くるみは助けが来たと思って乗ってしまった。
しかし、それは敵の車だった。
くるみは、その地域で有名な暴力団に捕まってしまったのだ。
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