「となりの席の彼女」

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二人の席がひっつくと最悪の気分だった。 そんな状態の二人を見ても誰も冷やかしもしない。 どう見てもお似合いの二人だと思われても仕方ないのに、誰も気にも留めない。 僕と彼女はそんな二人だ。 そんな状態は、何度席替えがされても同じだった。 僕の顔には明らかに迷惑そうな表情が浮かんでいる。 けれど、彼女の方は、むしろ喜んでいる風にも見えた。 「また、おんなじだね」 そう言っているような顔にも見えた。 けれど、不思議なものだ。 彼女のそんな顔を見てしまうと、 ひねくれた僕の心・・真っ直ぐに物事を見れない僕は、 更に彼女に対して、つっけんどんに当たったり、冷たく接してしまう。
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