これは秘密の味です

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「もしあったら大変だね。例えばどんなのだろう……人格査定とか? 体力テストみたいな?」 「わ、それあったら俺落ちる自信あるな」 「あはは、かもね」 「もぉ、よく笑うよ。……あとほら、生活力試験とかさ。瑞希は絶対落ちるやつ」 「あ! ひどい!」  瑞希は包んでいた手をはたいて振りほどいた。いてて、と手を引っ込める蒼。 「――回転寿司とか行っちゃったならもうお祝いしてもらわなくていいよね」 「えー、つれないなあ」 「……仕方ないな。でも今日は夕食いるって言って来ちゃったでしょ。カフェでおやつで勘弁してくれる?」 「え!」  蒼はさっさと席を立っている。 「ほら」  蒼に促されて瑞希も鞄を持って後を追いかけた。  どこに行くのと瑞希が尋ねても、「すぐそこ。ついてきて」とだけ言う蒼。  
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