第9話 準備の時

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 後は右肩と左肩が青く塗られている。  どうやら最後に塗られてから結構な時間が経過したようだ。  ぼろぼろになっている。  見るからにぼろくさい機械人形なのだ。  この前の盗賊との殺し合いで、これが単なるボロボロではない事は、察する事が出来ている。 「修理も必要だな、村の中に確かジャンク屋が居た事だし、そこんとこは親父がなんとかしてくれるだろう、俺様はお前に戦い方について教える必要がある。今日は基礎体力の検査からするからな、それと剣と長弓も改造してもらおう、鍛冶屋でなんとかなるしな」  感激の言葉。  どうやらロンバートはデルトがロングソードと長弓を捨てたくないとふんだらしい。  そのぶん長年の修行に耐えてきた2つの武器は、改造する事により新しくなり、デルトの武器となる。   流れ星が落ちてきたらこんな気持ちをするんじゃないのかなって思った。 「あ、でもゴールドが」  デルトはすごい貧乏でもあるのだ。 「安心しろお前が盗賊を退治した事になっている。バブス村長が謝礼金として、50万ゴールドを支払うぞ」 「まじか、でもいいよ村の皆に分配してくれよ、基本的に俺の操縦ミスで沢山の建物を破壊したから」    デルトはなんとなくそう呟いていたのだ。  それが当たり前のことで、そんなこと当然のように。 「くっはっはっは、本当に綺麗事をする奴がいたとはな、50万だぞ? おいしい食べもの、最高な武器や防具、または女だって抱ける。最高なのに」 「俺はそういった物に興味ないんだ。みんなが笑って暮らせる世界、それがあれば十分だから、それにさ、親父もお袋も言ってた。徳はみんなで分けて徳なんだって」
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