第11話 最後の試練(肉体修行)

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 2人は至近距離で目にもの見えぬ攻防を始める。  デルトが木剣を振り落として、振り上げて、からぶって、回転してまた振り上げて。 『不思議と体が思うように動く、しかも今まで凄かったスタミナがさらなる進化を辿ったようだ、この感じ、ロンバート師匠の修行は無駄ではなかった』  デルトは心の底から思った。  何度も何度も木剣を振り上げては突き上げたりした。  それをロンバートは弾いては、カウンターとばかりに突きをいれてくる。  それは体を仰け反らせて避けると体を宙帰りさせるように後ろに移動する。  また前屈姿勢になり、木剣を振りみだす。  2本の木剣がデルトの眉間を捕らえ、デルトは掠っただけだけど、後ろへと吹き飛ばされる。   「たったの一撃、それすら当たれば問題ないのに、大きな壁だ」 【それは確かに言えております。あの人は沢山の修行を経験したのでしょう】  バレットは少し離れた所から助言をくれる。  それがとても暖かく、自分には仲間がいるのだと思わせる事が出来る。  また走り出す。  ロンバートの衣服にデルトの剣が掠るようになる。  ロンバートのスタミナが切れかけているのか、少しずつ動きに無駄が見えてくる。    ロンバートは攻守ともに絶大なる強さを誇る。  ただし体力やスタミナは普通の人と同じだ。  それはおそらく、植物状態の期間が長すぎたせいもあるのだろう。  ただ勝利があるとすれば、体力は攻撃が当たらないと意味ないが、スタミナはロンバートが動き続ける限り減り続けている。  ポーション等を飲まないとすぐには回復することはないし、休憩させる暇を与えるほど、デルトは優しく育ったわけではない。 【30分ずっと動きっぱなし、凄いです。今までのデルト様では無理だった事、やはりロンバート様の修行は意味があったのでしょう】 「たりめーよ」
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