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「師匠、あんたはすげーよ、でもなぁ、スタミナではこの俺が勝つんだ」
そうそれは渾身の一撃。
剣を思いっきり構える。
背中まで構えた瞬間。
この剣撃で覚えた必殺技。
〈重量落とし〉
背中から構えた木刀は、するりと頭を乗り越えてそのまま真下へと落ちていく。
まるで重力に逆らう事はせず一直線にそれは落ちていき、ロンバートの木剣を粉砕する。
それはロンバートのスタミナが切れ、うまい具合に防御できず、少しの意識のずれがそれを起こした。
ロンバートは後ろに吹き飛ばされ、草原の真ん中に仰向けで空を見ている。
「あっはっははははは」
ロンバートは突如笑いだす。
デルトはそこにいくと、手を差し出す。
ロンバートはにかりと笑って、その手を取る。
「俺様はお前らのパーティーに入れてくれ、1人の仲間として迎えてもらいたい、師匠と弟子という関係ではなく」
「大歓迎だ。俺様とカナエとバレットとロンバートでパーティーを組もう」
「これからもよろしく」
「ああ、そうだな、だが、お前には俺様の親父の修行がある。それまで俺様は村で情報集めをしている。そろそろ村も壊れた建物を修理して活気づいているだろう」
「そのバブス村長は?」
「そろそろ来るはずだ。ここで待っていろ、俺様は先に村に帰っている。歩きで大丈夫だ」
ロンバートはずっと笑いながら。
何か不思議な物でも見て、何か大事な物を見つけているような、本当に不思議な笑い声だった。
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