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第8話 最強の破壊者
夢を見ていた気がする。
とてつもなく長い何か、歴史のようなそれは人が経験した事の無いような戦争だったり、あるいは廃墟だったりした。
夢の中はあやふやだ。
何か大きい何かが見守っていてくれている。
それがヴェルサスだということに気付いていた。
「お前はいつも俺を見ていたのか?」
とデルトが問いかけても、何も答えは帰ってこない。
じいっとこちらを睨んでいるだけだ。
何か、まるで覚悟せよと忠告されているような、そんな不思議な感覚がした。
突如頭の上から何かが引っ張っていくようなものを感じると。
デルトは現実に戻った。
辺りを見回すと、小さな窓から小鳥のさえずりが聞こえる。
デルトはベッドで横になっている。
しかも自分の家だった。
ぼろぼろの家に帰ってきたのだ。
大勢の村人やら観光客が死んでいった。
あれはきっと夢なのだろう、そう思いながら立ち上がろうとした。
背中に痒みがあったので触ると巨大な何かに突き刺されたような傷があった。
その傷は、徐々にカサブタの様な物になっている。
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