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「もしもし、なっちゃん…?」
その日の夜、華澄ちゃんから電話が来た。
『もしもし…。』
「あれ?何かあった…?元気ないね。」
『ううん、そんなことないよ。大丈夫。』
「本当に…?何かあったら、すぐに話してね。」
『うん。分かってる。』
どうにか誤魔化せたみたい。
「今度のデートなんだけど…。また映画行きたい、なっちゃんと♪」
『映画デートね…。いいね、OK♪観たいの考えとくよ。』
「うん。わたしも考えとくね。じゃあ、また電話するね。」
『うん、分かった。連絡ありがとう、華澄。』
「大好き、なっちゃん。」
『わたしも、大好きだよ。』
電話を切った。
また胸の奥が、少しだけチクッとした。
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