第1話 転生

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 その2カ国語というのは、ムルチャトフ語とグリャス語で…  ムルチャトフ語は、オランダ語とフランス語を足して割ったところに日本語が混じってる感じで、世界共通言語のグリャス語は、英語にかなり似ているものの、和製英語もちょこちょこ混じってるって感じだな。  この国というか、この世界の住民は母国語と世界共通言語を完璧に習得している事が当たり前なんだ。  で、その上で他言語を学んで、習得した奴が語学力が高い奴って扱いなのさ。  俺の場合、残りの7カ国語も少しなら話せるが…  俺の乳母が、グリャス語とムルチャトフ語の他に、7カ国語(ルーシング語、ポラテネツ語、ウィステリア語、ドーラトリア語、モンシーゲル語、ピオニアス語、アーサローゼ語)を訛りなく、ペラペラと話せるマルチリンガルな女性だったからな。上には上がいるってもんよ。  それに、俺が他言語を少々話せるのは、その乳母のおかげなんだ。  彼女が気まぐれで、7カ国語分の挨拶と自己紹介を教えてくれなかったら、俺は他言語を知らない平凡少年で終わっていたからな。  彼女には本当に感謝しているよ。  …元気で過ごしているといいんだが。  とりあえず、乳母の話は一旦置いておくとして…  まあ…とにかく、だ。  当時赤ん坊だった俺は、読み聞きのみの言語理解能力(それ)を上手く利用しつつ、自らのオタク知識を元に状況を察してたんだが…本当に色々あってな。
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