花恋でモブは傍観者を気取る

第７話 花恋①

そもそもヒロインの元々のスペックでは、剣とかの物理的な戦闘力を上げないと、超幸運持ちで占いや付与魔法が得意という、そこに居るだけでいい奴＝お荷物さんに成り下がる。
１年前から鍛えてもどうにもならないところは、学園に入ってからも鍛え続けて、何とか身につけなればならない。
そうでなければ、本当にお荷物になる。
学園内では、戦闘力だけを上げるなら、ダンジョン攻略や鍛錬場での個人練習等をこなすだけで済むけど、攻略まで入ってくるとそこに対象者を上手く絡めていかなければならず、同時進行するのは正直かなりキツイ。
おかげで、課金ユーザーがかなり多かったし、俺と翠も最初やとっておきの場面の時は割り勘して課金した。
まあ、それ以外は無課金ユーザーに優しく、ほぼ無課金で全てのルートのストーリーを読めるという、超良心的仕様。
毎日必ず一回はログインしないとボーナスとかサポートとか特典とかが貰えない為、その辺は地味に面倒だった。
ランダムで攻略キャラの挨拶ボイス聞いても、6日もすれば全員分聞ける上に、男が男の挨拶聞いてどうするんだって話で…
おはよう、こんにちは、おやすみを攻略対象のキャラらしく、担当声優に言わせただけだぞ？
それに対して翠は『今日は○○さん(くん)だ』的反応をするだけだったしな。
そこまで興味がない奴だ。