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もう一枚は…確か極少量の魔力を流す事で見れるんだったか?
……ふうっ、……おっ、変わったな。
にこやかに親父と話すお袋と、お袋と話すワンコ化した親父という日常風景(オフショット的な)。…という話は本当だったんだな。
無いはずの犬耳と尻尾が見えるぞ…
いや、マジでラブラブじゃねぇかよ…
親父、なんか可愛いな、おい。
お袋にデレデレ…というか、お袋もデレデレじゃね…?
はぁ…写真の中でもイチャついてるとか、こりゃ天国でもイチャついてんじゃねぇの?
…ホント、呆れた。
目の前で、見せつけてくれたら、揶揄えたのに、よ…
……俺も、愛してるよ。
あんたらにも、神の御加護があらん事を…
…会いたかったな。
話したかったよ。
こんな形じゃなくて、直接…
…視界が滲んで、きた。
「ありがとよ、親父、お袋…」
「…また、来るよ。」
空を見上げて、彼らを想う。
「…そこから見ておいてくれよ。俺の生き様って奴をよ。」
瞼をそっと閉じ、踵を返した。
「…じゃあな。」
『いってらっしゃい。』
『いってこい。』
…はっ、……そんなん、ズリィ、よ。
頬を伝う涙が、風に飛ばされて、穏やかな日差しに照らされ、きらめいた。
俺の人生の、新たな始まりだ。
…花恋、本格始動、ってか。
…モブらしく、傍観者気取って生きてやるよ。
翠がいないなら、俺は俺として生きるだけだから。
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