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「到着致しました。」
御者が到着を告げてきた。
大体の荷物は先に送ってあるから、今持っているのは革製の通学カバン1つぐらいのものだ。
中身は、貴重品と筆記用具、ノート、ファイル。
前世でも入学式の日は概ねそんな感じだったしな。
荷物が軽いに越した事は無いさ。
そんな事を考えていると、馬車の扉を御者が開いた。荷物を手に、トラップを降りていく。
「お疲れ様です。有難う御座いました。」
しっかりと目を合わせ、御者に礼を言い、踵を返した。
「…!?…有難きお言葉。行ってらっしゃいませ、ウィル坊ちゃま。」
声を震わせ、御者はそう返してきた。
…感謝の気持ちが少しでも伝わっていればいいな。
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