第1話 転生

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 それから、冷遇?放置?のもう1つの原因である適性属性についてだが…  そもそも、適性属性というのは、魔法を使用する際に自分が扱える属性の事だ。  才能があれば後天的に増やす事も出来るが、普通は生まれた時の状態のままで、変わる事はない。  適性属性が何か分かったところで、話を戻すと…  俺の適性属性は、木,水(氷),風,火(青炎),闇(操作,夜空)だった。  (ああ…言っていなかったが、()内に書かれているのはというのは、その属性の中でも一番使いこなしやすい系統の事で、系統が示されている事はそこまで珍しい事でも無いから、あった所でチートでも何でも無いんだとか。)  鑑定を掛けられた際、俺はミラドゥゲル伯爵家当主になる条件として挙げられている土属性、幻惑属性の適性を一切持っていなかったんだ。  俺が適性属性(これ)を最初に視た時(後に自力で自分自身に鑑定を掛けてみた時)は、いやいや十分チートな適性属性数じゃね?とか思ったんだがな…  うちは古臭い因習に縛られた派閥の一員…どころか大事な一角を担ってる。  まあ、そもそも派閥自体かなりの少数派で、所属している家の者は、王都・地方共に物凄く肩身が狭いらしいが…  その派閥では、各家の条件上の属性の適性が無ければ、その者は他にどんな能力を持っていようと、一生無能・穀潰し・人形として扱う事…なんてルールがあるんだ。  俺はそれに該当してしまったが為に、生まれた瞬間冷遇ルートへ真っしぐらな展開になってしまった訳だ。  まあ、正確には放任ルートなんだが…  詳しくいうと、ある程度の歳になってからは、書庫に入ってもいいが、誰かに教えを請うたり、誰かと交友関係を結んだりする事は禁じられているものの、食事時以外全く監視もされず、警備も杜撰な小部屋(と言えば聞こえはいいが…というか、さっきも言ったが…実際は使用人部屋以下の物置)で過ごすんだ。
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