第4話 初接触

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※今回のお話は、攻略対象者とのファーストコンタクトイベントです。 入学式から一週間は共通ルートの一週間基ヒロインの一週間としてダイジェスト版を三人称的一人称でお送りさせて頂きます。 ★初日★ ・ヒロイン、迷子になる(鬼畜眼鏡) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー …此処は何処かしら?何故私は廃校舎らしき建物の前にいるの? 確か、2限目の魔法戦闘学が第2訓練場であるって連絡を受けて、教室移動をしていた筈… …はぁ。どうやら、私は迷子になってしまったようね… どうしましょう…このままでは、授業に間に合わないわ… 教官に遅刻連絡をしようにも、此処は圏外で電話機能もメール機能も使えないのよね… 私、方向音痴のつもりは無かったのだけれど… この状況ではどう見てもそうとしか思われないわね。 「困ったわ…」 「どうかされましたか?」 うわぁ!び、びっくりした…… 「あの、貴方は…?」 準男爵家、男爵家、子爵家の方とはお会いした事はありますし、伯爵家、侯爵家、公爵家、王家の方々の家名でしたら一通り覚えていますから、お名前をお聞きすれば此方も応対がしやすくなるのだけれど… 「ああ、此れは失礼。私はベリリアス・レノス・アクアクォーツ。アクアクォーツ侯爵家次男です。」 「侯爵家の御方でしたか…失礼しました、私はレイハート・レノス・グランスキード。グランスキード男爵家次女ですわ。」 少々足場が悪いものの、しっかりとカテーシーを決め、名乗らせて頂きました。 どうやらこの御方は私よりもずっと上の身分の方のようですから。 失礼が無いよう、細心の注意を払いましょう。 …それに、万が一私が失態をしてしまった場合、養家の顔に泥を塗る事になってしまいますから。 「単刀直入にお聞きしますが、貴女は何故このような場所に?」 「お恥ずかしながら、教室移動の途中で迷子になってしまったのです。」 つい溢れてしまった苦い笑みを、微笑みに切り替えて顔面を繕う。 「ちなみに何方へ向かわれていたのですか?」 「第2訓練場ですわ。」 「成る程…第2訓練場でしたら、此処から然程離れていませんし、宜しければ私が近くまでご案内しましょうか?」 それは大変有難い話ですが…この方にメリットが無いわ。何か裏があるのでは無いかしら? …まあ、私のような下級貴族の、それも養女に上級貴族の子息様が何を求めるんだ、と聞かれたら旨味がなさ過ぎて、疑いを持つのも馬鹿馬鹿しくなるわね。 「…お言葉に甘えさせて頂きますわ。お手間を掛けさせてしまい、申し訳なさで一杯ですけれど…」 「…いえいえ。私も其方に用事があるだけですし。そのついでですから、手間ではありませんよ?…さて、お話はこれくらいにして、そろそろ移動しましょうか。…お手をどうぞ、お嬢さん?」 青みがかった銀髪に、銀縁眼鏡から覗く目は、深緑色の瞳孔、黄緑色の目。眉目秀麗で、何処か冷たい印象を受ける。 …綺麗な人ね。そのセリフも様になっているし、さぞおモテになるのでしょう。 …誰かに刺されたくはないし、申し訳ないけれどご案内して頂いた後は、あまり関わらないようにしましょう。 「…有難う御座います。短い間ですが、宜しくお願い致しますわ。」 「ええ、此方こそ。」
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