第2.5話 会議

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 それはまだいいが、問題は摘発者の年齢だ。  法的に不正等の告発に対する年齢制限はないが、現在次男は7歳。  余りにも幼いと、もし摘発が虚偽であった際の責任能力に不安がある。  一般的に男女問わず5歳時に行われる社交界デビューのパーティーやそれ以降の公の場での評価や評判で、ある程度の能力等は分かる筈なのだが…  次男の場合、社交界デビューすらされておらず、役所に出生届が出されている以外、全く情報が無いのだ。それに出生届自体は、名前・性別・生年月日・出生地が記入されているだけで、今件ではまるで役立たない代物だ。  そんな時、役立ったのがスノッドル伯直筆のサイン入りの報告書だ。  内容としては、養子にするに至った概要と次男の異常さについてだったが、目を疑うような内容の数々に別の意味で頭を抱えそうになったものの、今件の次男の関与がかなり大きなものであり、不正の証拠を調べ上げ、それを告発できる程の能力を持ち合わせている事が証明された。  ここまで年齢で頭を悩ませていたのは、ひとえに今件のミラドゥゲル伯爵家に対する罪状の所為である。その罪状は国家反逆罪。対外的に国家反逆罪ともなれば、国民への情報開示が定められている為、必然的に誰が誰を摘発し、誰が処刑されるのかという事が、どうやっても広まってしまう。その際の説得力や現実味等に欠けるのではないか、という懸念があり、それが延いては王族への不信感に繋がりかねない。  このような点が、今回の判断を難しくさせている要因である。
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