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クローゼットの中の服も、俺のサイズが分からなかったのか既製品ばかりだが(十中八九、養子の件が余りにも急すぎて用意出来なかったんだろう。)、それでも超有名店の高級品だし。
此処に俺が居る事が余りにも場違い過ぎて、苦笑いが溢れた。
ん~、これとこれと…ま、こんなもんかな。
よし、さっさと着よう。
…よし、着替え終わったぞ。
いやぁ、しかし…馬子にも衣装とはよく言ったものだな。
自分なりにコーディネートしてみると
・白シャツ
・黒の紐タイ(とりあえず、それっぽくリボン結びにした)
・黒のベスト、黒のショートパンツ(どちらもグレーの格子柄入、セット商品か?)
・黒のハイソックス
・焦茶色のローファー
って感じの格好になった。
貴族の御嬢様なら、ドレスや靴、アクセサリーでいくらでも華やかに、可愛らしく着飾れたんだろうが…
生憎と俺は男なんでな。
派手好きでも無いし、前世でもシンプルでカジュアルなものを好んで着ていたからな。
今回の服装もシンプルイズベストな感じになっている。
しかし、流石高級品。
こんな平凡男にも、紳士らしいスマートな雰囲気を纏わせてくれている。
なかなか様になっているんじゃないか、これは。
使用人、それも見習いのお古しか着させてもらった事がないからな。
こんな綺麗な服を着たのは、今世では初だ。
汚さないようにしないとな。
これでも、あの家では食事以外の家事は、全部自力でやらされてたんだよ。
だから、掃除や洗濯の大変さは身に染みてるし、その苦労はよく分かるんだ。
これから此処でお世話になる身として、出来るだけ迷惑を掛けたくないからな。
これぐらい気を回しても、問題ないだろ?
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