第3話 家族

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 「ご馳走さまでした(レ・ノルジェンカ)。」  『ご馳走さまでした(レ・ノルジェンカ)。』  食後の挨拶が終わり、各々席を離れていく。  「行ってきます、父上、母上、メル。」  「行ってきます、父上、母上、ルー。」  「「行ってらっしゃい、アル、リューク。」」  「行ってらっしゃいませ、ノル兄様、リュー兄様。」  何処に行くのか、よく分からなかったが、空気を読んで俺も2人を見送った。  年齢的には、学園に行っていておかしくないが…此処から通うには少しばかり遠すぎるのでは?  まあ、帰ってきた時にでも聞けばいいか。  2人とも、少し急いでるみたいだし。  引き止めるのはちょっと、な。  2人を見送った後、お母様と別れた俺はお父様に付いて、執務室へ向かっていた。  ちなみに、朝食は頬が落ちそうなほどに美味しかった。  焼きたての丸パンに、トロトロのオムレツ、カリカリのベーコン、クルトン入りのコンソメスープ、朝取れ野菜のシーザーサラダをアッサムと共に味わい、食後のデザートはガトーショコラ。  一番好きなデザートが出てきたものだから、思わずわぁっと、歓声をあげてしまってな。…非常に暖かい目線を向けられる事になって、凄く恥ずかしかった。
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