第4話 事実①

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…まあ、朝食の話はそこまでにしておいて。 執務室に向かう道中、此処まで一度もお父様は口を開いていない。 …何処か緊張しているようだから、余程切り出しづらい話なのかもな。 「此処が私の執務室だよ。…さあ、入って入って。」 「失礼します。」 「そこのソファでも座っておいて。今、飲み物を淹れるから。紅茶でよかったかな?一応、コーヒーもあるけど…」 「すいませんが、コーヒーをお願いします。砂糖やミルクは無しで大丈夫です。」 「了解したよ。」 俺が淹れますと言いたい所だが、勝手が分かっていないからな。下手に動いてカップを割るなんて事になったら嫌だし。弁償代を考えると、大人しくしてるのが最善の選択だと言えるだろうよ。 だから、動きたいのを我慢して、こうしてソファに座って待機している訳で…決して俺が傲慢で恥知らずだからじゃないからな。 今でさえ、申し訳なさでいっぱいなんだ。 俺には、元日本人としての性分が根強く残っているからな…尚更そう思うのさ。
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