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それに気づいたのは、女性を正妻に、彼女を第2夫人として迎え、両者と其々交わった後だったんだ。
彼の母親は既に亡くなっており、女性視点での社交界の情報に酷く乏しかった。
彼女の位は低いから、上位の令嬢達の話までは聞きようがないし、彼が見栄を張って、正妻は自分が真剣に選ぶから、安心してくれなどと言い続けていたものだから、彼女も助けようがなかったんだよ。
長年に渡る洗脳が及ぼした影響で、彼は人間不信に陥っていてね…誰かを頼る事を知らない、というより分からない…解決しようと1人で何でもかんでも抱え込むタイプだったものだから、周囲も頼まれてもいないのに助けるのは…と遠慮してな。
その結果が、悪女との結婚だ。
悪女は彼の前では良き妻のように振舞っていたし、最初のうちは変に怪しまれて離婚されないようにしていたのか、金遣いも男遊びも大変大人しいものだったんだ。
それも長くは続かず、アレの相性も普通だったものだから、捕まえておくのも難しかったようで、段々悪女としての本性を晒していった。
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