第5話 事実②

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…稀代の天才でも社畜並みに働かないといけないんだな。もっとパッパと何でもサクサクこなして、ゆったり過ごしてるイメージだったんだが…せめて、過労死だけはしないでくれよ? はぁ…まあ、 「…いえ、問題ありません。あの、明日の何時頃お伺いすれば宜しいでしょうか。」 時間聞いたら、後はもう聞く事は無い筈だから、解散でいいんじゃないか? 少しでも長く休んで、過労死を回避して欲しいし。 俺もそろそろ休みたいしな。 もうそろそろお昼時だ。 そうしない内に昼食の用意が出来たと使用人が知らせに来るんじゃないか? 「…んー、じゃあ明日の午後3時に此処に来てくれるかな?せっかくだし、午後のティータイムを楽しみながら、じっくりとお話しようよ。」 「承知しました。では、明日のその時間にまたお伺いさせていただきます。…今日はこの辺りで失礼させていただきたい所なんですが、此処から自室への帰り道が分かりませんので、道順を教えて下さると大変助かるのですが…」 食堂経由の道のりなら何とか、来た道を帰るっていうやり方で戻れるんだが…ぶっちゃけ、面倒くさいからな。 此処から自室までの最短ルートで帰った方が早いし楽だと思ってのお願いだが… 「それもそうだったねぇ…口頭説明だと少し長くなるから、人を呼ぶよ。」 そう言い終わると同時に、卓上に置かれていた小さなベルを二度と鳴らした。 チリンチリン…と可愛らしい音色が響いたかと思うと、3秒後にはコンコンコンと扉がノックされた。 …え、ちょ、早くね? さっきまで全く、扉の前に気配なんて無かったぞ? 大方、瞬間移動魔法でも使ったんだろうが、それにしても早いなぁ…
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