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さて、何処から話したものかな?
とりあえず、最初から話していくか。
すごく短めにまとめると、俺は生後間も無くして、家に呼ばれた神官様に鑑定魔法をかけられたんだよ。これがまさかの…今の今までの俺の待遇問題に繋がる程、割と大きなイベントだったのさ。
えっ?意味が分からない上に回りくどいって?
そんなに怒らないで…ちゃんと今から詳しく話すからさ。
…といっても、当時赤ん坊だった俺視点でお送りする事になるからな。そこまで分かりやすくもないと思うぞ?
それでも、頑張って話すから、しっかり聞いておいてほしいな。
あれは…産声を上げ、泣き疲れた俺がウトウトし出した時だったかな。
突然、真っ白な服を着たおじさんの手から半透明の光が出て…
それに驚いた俺が泣き出しかけたら、おじさんが空中を見て、そのまま硬直してしまったんだ…瞳孔が開いてて、地味に怖かったな、アレは。
まあ、今度はそれに驚いて、俺の涙はすっかり引っ込んじまったんだが…
多分、俺への鑑定結果に驚いていたんだろうな…
…で、硬直したままの神官に焦れたのか、両親と思しき男女が神官を急かし、我に返った神官が鑑定結果を両親に見せたんだ。
…期待に溢れた表情から一転して、ゴミでも見るかのような冷たい表情になった両親は、俺の事を使用人らしき人達に任せ、その場を後にしたんだ。
父親?の方は、一貫して無表情のままだったが、目から何となく伝わった感情で察した。
母親?の方は、そもそも生まれた直後から、両親と似ていない(後で分かった事だが)容姿が気に食わなかったらしく、鑑定結果が分かった途端、興味を無くした顔になったから、逆に凄く分かりやすかった。
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