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「問題ありませんよ。むしろそのままの状態でいて下さった方がよろしいかもしれませんね。」
「セバスの言う通りだよ。それにその方が年相応で、とても可愛らしいと思うよ。
それにね、素でいる時間が長い方が、君の人嫌いも治りやすいんじゃないかな。
詳しい話は明日聞くけど…
私達を信じようと、好きになろうと努力してくれる事が凄く嬉しくてね。…本当にありがとう。」
そう言うお父様をセバスは静かに見守り、穏やかな顔で微笑んでいた。
お父様は…涙ぐんでるな。
マジか、素で本音話しただけだぞ?
まあ、喜んでくれてるみたいだし、それならこれからは素で話す事にしようかな…
「いえいえ。そう喜んでくれるなら、これから素で話すよ。…お母様やルノ兄様、リュー兄様、他の使用人達が挙って驚きそうなものだが。…俺は多分、幸せ者なんだろうな。俺には、それがよく分からないけど、これだけ思われてて、嬉しくない訳ないから。
凄く有難いし、…今なら、実父をクソ親父じゃなくて、親父って呼べる気がする。…親父と御袋がいなけりゃ、俺は今此処に居ないし、皆んなと会う事も出来なかったんだ。
…もう面と向かって、そう呼ぶ事は出来ねぇけど、御墓参り行った時にでも、そうやって話しかけてみようと思う。
……えっと、その、だから…色々とありがとう。」
やっぱり上手く言えないけど、これが今の俺の思い。
翠を忘れられない、忘れたくないから、唯一は作れないけど、特別は作れるから…
その特別に、皆んなを当てはめたい。
…そんな風に思う。
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