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「いえいえ……そうだ。そういえば、そろそろ昼食の時間だね。…明日セバスをウィルの部屋に遣るから、色々と館内を案内してもらいなさい。その際に、ウィルの部屋から此処への行き道も教えてもらってね。
…セバス、それでいいかい?」
「ええ、私は問題ありませんが、ウィル坊っちゃまは如何でしょうか?」
「俺もそれでいいよ。全然問題ないから。むしろ有難いぐらい。…明日はよろしくね、セバス。」
「はい、かしこまりました。」
「じゃ、話も纏まった事だし。食堂に行こうか。」
「ああ。…そういえば昼食は、お父様と2人だけになるのか?」
「いえ、奥様がおられますので、御三方でのお食事になるかと。アル坊っちゃまとリューク坊っちゃまは、朝食後学園に戻られましたので、御在宅ではありません。
学園は全寮制ですし、御二人はウィル坊っちゃまの顔が一目見たいと、急遽此方へ来られましたので。
普通ですと、年二回の長期休暇以外、帰省される事はございませんね。
何分王都と此方では距離がありますから、手間を考えるとそう頻繁には来られないのでしょう。
次にお会い出来るのは、約二ヶ月後の12月半ばになりますね。」
「そうだったのか…
俺もあと3年後には入学するんだったか?どんな所なのか、今度お兄様達に聞いてみようかな。」
「それはいい考えだね。…おっと、そろそろ到着するよ。何が出るかお楽しみにね。」
「はい。」
朝食が絶品だったからな、昼食にも期待が持てるってものさ。
それに誰かと一緒に食う飯は倍美味いもんだし。…翠と食う飯の次に、此処の人と食う飯は美味いから。
…いっぱい食べて、早く大きくなりたいな。
この身体では、恩返しもままならないから。
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