第5話 事実②

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【正妻:エリザベート・レノス・ミラドゥゲル】 数代に一度悪女が生まれてしまう家に生まれた女。 生まれた当初は真面目で誠実な淑女だったものの、祖母が所謂悪女で、その事について周りにとやかく言われ続け、心を病み、いっそのこと開き直って、自分も悪女として生きてやると、意気込む事で何とか復活し、それから先の人生を悪女として生きるようになった。 その為、根は元の真面目で誠実な所をそのまま残している為、悪女悪女と呼ばれる割には、殺傷沙汰になるような事はなかった。 それは、お互いに遊びだと割り切った上での遊び関係を構築していた為でもあるが、金遣いが荒いと言えど、善行の為に使っていたから。 例えば… 無理矢理背負わされた借金で首が回らなくなった商人の借金を肩代わりする代わりに商品を割安で売ってくれとか、 変態的性癖・趣向を持つ愛好家団体を暗殺部隊を丸々1つ雇う事で同業者同士の揉め事に見せかけて壊滅させ、囚われていた子供で身元のわからない者や親に売られた者等を働き手を探す所に人材派遣し、身元の分かる者は口止め料と共に親元に返したりとか、 まあ…その他にも色々とやっていたらしい。 日常的にそんな事をしていたものだから、普通に宝飾品や服、アクセサリー、靴、バック、化粧品…そんな物を買うより余程金が必要になる訳で… 不正でもしないと生活の質が目に見えて下がるほど、伯爵家の財政は逼迫してしまったんだとか。 勿論、伯爵家夫人として着飾る事も必要だし、茶会や夜会等の開催・出席の為の必要経費もあるから… 最終的に、寧ろよくここまで保てていたな、と感心するぐらいには、財政破綻寸前まで追い込まれていたとか。 更に、遊び相手にも口止め料を払う代わりに、色々と裏で協力してもらっていたみたいだから、その分のお金もかかったみたいで… 何分口止め料がかなりのものだった上に、やっている事は善行ばかりとくれば、公表もしづらいみたいで、彼女が悪女であるという事しか広まらなかったんだとか。
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