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「なんだよ。今時白って……」 突然声が聞こえて慌てて振り返る。 そこには派手な着物を着崩した、軽薄そうな若い男が横になって、私の制服のスカートをめくり中を覗いていた。 「あぁ、あっ、あなたは何なんですか?!」 ”何”と言うのも変だが、それ以外に言葉が見つからなかった。 空中に浮いたまま、横になれる人間など、存在しないのだから。 スカートの中を覗かれるよりも、びっくりしたのだ。 「何なんですかって、俺は死神様の使いだよ」 男はあっけらかんと、当然のことと言わんばかりに答える。 「お迎えに来てくださったんですね」 ――やっぱり人間じゃなかった。死神の使いが迎えに来てくれた? ならば、やっとこの世界とサヨナラできるのね。 「は?お前、何言ってんの?お前の天寿(てんじゅ)はまだ先だ」 「え?私はここで飛び降りようと……だから迎えに来たんじゃないの?」 「ばーか。ホントめんどくせーな。お前みたいなのが、最近やたらと多いから俺らの仕事が増えるんだよ」 男は呆れたように不貞腐れたように言った。 「だって、死神の使いって……。魂を取りに来たんでしょ?」 「ホントめんどくせーな。そっからかよ」     
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