過去とこれから

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 行き詰った就活の中において、身動きすら取れなくなってしまっていたのは紛れもない事実。このままずっと決まらなかったらどうしよう。頭を抱える俺。   いいさその時は。進学という道もあるんだから。身勝手極まりない思いが頭をもたげてくる。そんな不安をよそに、内定が決まった学生たちはみなこぞって浮かれ気分になっている。取れば終わりってんじゃないのにどいつもこいつも。疎外感が高まるばかりである。  人に相談したところでどうにかなるわけでもないし、結局は自分の力で切り抜けなければいけないんだから。自身の心に問いかける俺。「お前は今何をどうしたいんや?」「自分にとって最善の道とは何や?」何をどうしたいと言われても...。  早晩答えの出るものではない。しかし...俺は鉄道が好きだ。趣味はもちろん、それを仕事にしていけるということはないのか。考えた末、鉄道業界一筋で行こうと固く決心した。なのに..。    俺は何を間違ったんや?  夢を見過ぎてしまったんや。なりたいこと、やりたいことのために全力を尽くそうとした。素晴らしいことである。だが、夢中になろうとするあまりにどこか大切なことを疎かにしてしまっていたんやないか。狭い視野の中で勝利を手に入れることしか考えていなかったんがお前や。  くたびれたスーツに目をやる俺。駄目だったよ。理想と信念とに燃え過ぎた俺の就活は全てが大失敗に終わったと認めざるを得なかった。     
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