放課後

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あまり話したことなかったけど、こいつはこんな性格だったのだろうか。女子周りでは陰キャ扱いだったのに。 「…わたし、話すことないんだけど。」 「そう?まぁとりあえず糖分とりなよ、元気でるよ?」 そういって、そいつはカバンの中から飴やらチョコレートやら、お菓子を机の上に出してきた。結構な量があった。というか、そんなにたくさん学校にお菓子を持ってくるなよ。 私は飴をひとつもらい、口に放り込む。 りんごの味らしいが、あまり味はしなかった。 そいつはわたしが飴を食べただけで満足そうな顔をしていた。やっぱりわけがわからない。 「わたし、そんなに元気ないように見えた?」 「いんや?そんなには。ただ、声かけないとずっとそこにいそうだったし、ちょっと気になったから。」 「ふぅん、私に気があるとか?」 「いや、全然。」 冗談のつもりで言ったのに、即答されたのが微妙に腹がたった。 「悩んでるときって、友達とか、親とかに話すより、どうでもいいやつに話すほうが気が楽じゃない?俺もそういう経験あるから、ほら、話してみ?」 そいつは私をまっすぐ見ながら言ってきた。わたしは少し目を伏せた。なんだか不思議なやつだなぁとおもいながら、私はいつの間にか、今日の出来事を話してもいいかなと考えていた。 「…悩みじゃないけど、聞く?」 「おぅおぅ、話せ話せ!」 私は告白したこと、フラれたこと、そしてそのことに何も感じなかったことを話した。そいつは適当に相づちをうちながら、口をはさまず聞いていた。そして、聞き終わると、 「糖分、処方しときますね。」 と、机の上のチョコレートを差し出してきた。 「あんた、それ言いたいだけでしょ?」 「いやいや、とりあえず話し終えてお疲れ様ってことで、チョコでも食べなよ。」 「いや、まだ飴食べてるからいい。」 「そう?じゃあチョコは置いといて。で、感想なんだけど、あるあるって思った。」 「そうなの?そういうものなの?」 思いもよらない返事に、私は食い付き気味になってしまった。 「あれでしょ、カルボナーラ食べに洋食屋に行って、いざカルボナーラ食べようとしたら、これじゃないなぁ、ってなるみたいな?そんな感じの心境でしょ?」 わかるようなわからないような例えをされて、私の頭は混乱した。
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