桜の蕾が開いたら……
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桜の蕾が開いたら……
中庭では目覚めを待つ桜の蕾が、陽の光を浴びて輝いている。 「白石先輩」 桜の木から視線を外すと、先輩が身体ごと振り返った。 「木島」 滑らかなテノールと共に、その顔から笑みが溢れた。 「やっぱりここでしたね」 「バレたか」 先輩が、恥ずかしそうに頭を掻いた。その拍子に、両手いっぱいの花束が落ちそうになる。「おっと」と慌てて持ち直すと、先輩は照れ臭そうに笑った。
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