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それは抗争のありふれた世界のこと
死闘!九九寨城
(…ふぅ、…ふぅ、…ふぅ)
82区画で息を潜めている玉川へ、11区画に攻め込んだ馬場から通信が入る。
『オヤジ!『電光の竜』をとりやしたぜ!』
「そうか!よくやった!流石はウチの左近桜だ」
成果を褒められた馬場だが、あとに続く声のトーンは低い。
『…いえ、ニッキーの野郎が班目のガードに来るのをむざむざ見逃しちまいやして…』
「しょうがねぇさ。そうだな……、班目の奴ぁ、未だ88区画に留まってんだな?馬場、お前はそこに留まって、奴が逃げねぇように張ってろ」
『へい、任せて下せぇ!隙見せたら、一発ブチ込んでやりまさぁ』
玉川は通信を切ると、すぐ渋い顔になる。
「……確かに、壁を作られたのは痛ぇな。班目のヤロォーのクソッたれが!」
依然、班目組優勢は変わらない。
玉川は追い詰められ、迂闊に動けない。厳しい状況が続いている。
(どこだ?どこが攻められる?)
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