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なんら褒められたものではない、こんな刑事たちを撃ち殺した学生に、マスコミも世間も好意的だったが、しかし署長は自分が狙われていると知り、正直かなりビビッていた。 もはや眉間にゴムをつけてゴケミドロ=高英男の真似などしている場合ではない。 なんとか、どうにかして逃げてやろうと考えていたら、そこに電話が鳴りまくり、仕方なく署長は電話を取り、今刑事たちは一斉に出払っていると告げようとした。 しかし電話の相手は、今プロ野球の球場で事件が起き、試合中、逆転負けのピンチになったところで、ヒットを撃たれたチームのキャッチャーが、ホームにすべりこんできたランナーを刺し殺した事件が起きたと告げた。 キャッチャーは逆転させまいとして犯行におよんだと見られ、確かにホームベースを踏めなかったランナーはアウトになったが、しかし事態はもはやそれどころではなく、キャッチャーはその後、球場内を逃亡中らしいので、すぐに急行してくれとの事だった。 最近この手の事件がプロ野球界では頻発しており、ノーアウト満塁のピンチにホームランを撃たれたチームのキャッチャーがホームに生還してくるランナーを全員ホームベースを踏ませず、刺し殺して試合を逆転させまいとするような、およそ子供でもやらないような単細胞極まる事件が頻発していた。     
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