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笹塚茂男巡査はさまざまな問題を抱えていた。 街の不良には何故か糸を腕に巻かれたり、しりとり合戦をふっかけられて負けがこんだりと、不愉快でならなかった。 父親が警官だというだけで、息子は不良たちから髪の毛をむしり取られるという種類のいじめに遇い、10歳になる前に若禿げになってしまい、リーブ21のお世話になっている息子のために苦情を言おうと学校に殴りこめば、教師に職権乱用だと責めたてられて、喧嘩になって学校で発砲したがために、始末書を書かされるはめになった。 街の強盗事件では腕を撃たれたので、撃ち返すと犯人の腕が取れて、その件の始末書を書くのが嫌で、自分ちの冷蔵庫で犯人の腕を保存することになった。 家の中では、妻が度重なる発作からの家庭内暴力の挙句、気が狂ったように部屋の壁にわけのわからない人物画を書き続けるようになり、その絵の人物が話しかけてくれるとかで、妻は夜中に、壁の絵と会話するようになってしまった。 また自宅の風呂に入ると、必ず風呂の栓の下から何故だかおたまじゃくしが侵入してきて、風呂に入っていられなくなったりと散々な毎日を送っていた。     
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