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殺人犯は特定されていたので、殺すのは別に簡単だった。 その後笹塚は、何十人という、こうした法で裁けぬ悪人を、ただ人が殺したくて抹殺し続けていった。 毎回疑惑の容疑者が死んだことが報じられて大反響を巻き起こしていたが、一番喜んだのは警察側で、それを機に、かねてから転職を希望していた笹塚は、警察にコネが出来て警官になったのであった。 そんな笹塚だから、この酔っ払いなど、とっととぶち殺してやりたい衝動に、毎日かられていたのは言うまでもない。 だが笹塚は、我慢に我慢を重ねていた。 血管を浮き上がらせながらも、鬼のような形相で我慢に我慢を重ねていた。 だからかすっかり人相が悪くなってしまい、家族からも怖がられ、頭の形も血管が浮き出て爆発寸前の状態に肥大しており、笹塚の頭部はかっての3倍以上に膨れ上がっていた。 市民たちは笹塚が歩いていても、その爆発寸前の、巨大にして奇形な頭部が恐ろしくて寄ってこなくなり、チンピラにはからかわれまくり、結局笹塚にはこの酔っ払いの相手ぐらいしかすることがなくなっていた。 だが酔っ払いは、毎回ゲロを吐きまくるのだが、今日はいつもより量が数倍も多く、それが笹塚の顔に思い切り引っかかった時、酔っ払いは大声で叫んだ。     
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