捜査一課刑事、全員死亡

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刑事たちはその籠城事件に全員が駆り出されていた。

署長は全員に危険な真似はしないようにと言いながら、もしやの場合は発砲もやむをえぬと告げて、大道寺警部以下、ブル、オショネシーさん、旋風児、ビーフハート、ケチちゃん、ありがたうさんといった普段から殺し合いになるほど仲の悪い男気溢れる刑事たちを現場に急行させた。

しかし署長は刑事たちがいない間、暇なのでゲームをやったりマンガを読んだり、ＤＶＤで「吸血鬼ゴケミドロ」を見て、高英男の真似をして眉間に傷形のゴムをつけてみたりしていたが、いきなり緊急の連絡が入り、刑事たちが全員射殺されて死亡した知らせを聞いた。

籠城事件は、ささいな喧嘩から学生が男と揉め、男が持っていた拳銃を学生が横取りして、近くにいた子供を人質に取り、屋上に立て籠ったことから始まった。

しかし学生は何故か、なかなかの銃の腕で、奇矯な叫び声を上げながら、近ずいてきた刑事たちを一発で射殺してしまったのだ。

挙げ句に、自分を殺そうとした警察に復讐したい、と学生は、今や警察署に向かっているらしく、署長が命を狙われていることを、死に際のオショネシーさんが電話で伝えてきて、今殉職したばかりだった。