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理事長の協力を得たことにより、はれてオレ達も属性解放術の獲得に成功し、日々の修練をさらにいいものにした。
そしてこの学院の大イベント…オレ達を含む全修剣士達にとって譲れない戦いの場…〈大修剣祭〉が…始まろうとしていた。
―馬宙と陽輝の部屋―
本来ならば側つきの修剣士がいる場合、その側つきの剣士との相部屋が普通だが、馬宙達は側つきの剣士が異性ということもあり、特例によって上級剣士同士にしてもらった。
「ついに来たな…ここまで。」
「ああ…お互いが友だった今までとは違う。今日から三日間は全員が敵になるんだね。」
「もちろんオレは譲る気はないぜ!絶対上位10名に名を連ねて見せる!」
「それは僕も同じだよ、馬宙!」
―修剣学院附属コロシアム―
コロシアムには学院生徒計1500人がクラスごとに並んでいた。その中にはもちろん先輩剣士であるサイアもいた。
『皆さん、おはよう。今日から三日間、当学院で大修剣祭の開催を宣言する!例年のように、全力を尽くし、己の心技体を駆使して存分に戦うように!』
学院長の挨拶兼式辞が述べられたところで、オレ達の戦いの幕が上がった。
日程としては全日使ってやるのだが、初日は一、二、三年生から各20名ずつを決める。
二日目はそこからさらに各10人に絞り込む。そして、最終日に全学年統合で総当たり戦。ここで残った10名には次学期から自身の制服を自由に塗布すること、実剣を持つことが許される。
―控え室―
馬宙は第一試合でいきなり例の“四属剣”と当たった。そのため、いつものような明るい表情は消えていた。
「馬宙くん、何か顔凍ってるけど、大丈夫?辞退した方が良かったんじゃ?」
「いや、いいんだ。オレには絶対勝ちたい人がいるんだ!だから、ここで怖じ気づく訳にはいかない!それはきっと、その人も同じだ。」
『第一試合、まもなく開幕です!該当の剣士はスタンバイして下さい。』
「じゃ、ガンバ!馬宙くん。」
「ああ、いっちょ、勝ってくるぜ!」
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