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「先輩…分かりました。修剣士エルシア、陽輝先輩剣士との約束、遵守させていただきます!」
「じゃあ、また後で。僕はもう少し練習するよ。」
「はい…失礼します!」
エルシアは少し頬を赤らめて食堂の方へ駆け出した。
(エルシアの心配を胸に、今はただ…僕だけの剣術を作り上げるんだ!)
「ふぅ………せやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
陽輝は心の中で三種のボディポジション〈ソニック〉、〈ミラージュ〉、〈フェイスト〉を同時に発動させ、さらにそこからマイアームズポジション〈スティール〉、〈フォトン〉を組み合わせた剣を目の前の木に振り下ろした。
〈ソニック〉による高速移動、〈ミラージュ〉による残像生成、〈フェイスト〉による多段命中、〈スティール〉と〈フォトン〉で変化した剣による一撃は今まで誰も傷つけれなかった裏庭の巨木に深傷を負わせた。
しかし、当の陽輝にかかる負荷はソウルスキルを五個使ったこともあり通常の10倍だった。
そのため、一撃を見舞っただけで即息が上がってしまった。
「…何とか組み立てはできたけど…これじゃあ馬宙には遠く及ばない。彼はこれまで何度も相手の攻撃を見切ってきたんだ。仮に僕がこの術で食ってかかったとして勝てる確率はそんなに高くはない。だから…もっと効率のいい組み合わせを探そう!」
その後、陽輝は朝食の時刻ギリギリまで技の研究を続けた。
―その後、コロシアム―
『さぁ、盛り上がった大修剣祭もいよいよクライマックス!上位十剣士選考会をただいま開始します!今回は例年同様生徒会員も介入します!』
各学年10人…計30人が集うこの大会の初戦はまさかの組み合わせだった。
『上位十剣士選考会第一試合はなんと、生徒会同士の対決!それも会長アリーゼvs副会長サイア!それでは、両剣士よ、腰の剣を抜き、構えよ!』
「まさか、ボクとキミとが戦うことになろうとは。ボクの描く物語としては味気がないねぇ…」
「フン、何とでも言うがいいわ!今年こそ、首席の座についてやるんだから!」
『始めっ!』
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