3人が本棚に入れています
本棚に追加
―現実世界、2024年、架空の港町・臨海―
オレはあの後…どうなったんだ?オレは…誰だ?どこから来たんだ?
紺色の髪の青年…蒼天馬宙は記憶を失い、家のような施設の中で倒れていた。
この街は既に何者かが手を加え、ゲームそのものとなっていた。そのため、ここに住む人もまた望まずながらプレイヤーとして生活していた。
「…う~ん。ここは、どこだ?」
「あ、起きた。心配したんだよ、先輩。」
「先輩?どういうこと?というか君は誰?ここはどこなの?」
「え、先輩、まさかとは思いますが、自分が修剣学院生だってこと知らないんですか?」
発色の良い茶髪に碧眼の少女…マリナは馬宙を膝枕していた。
「まさかとは思うけど、オレってずっとこのままだったとか?」
「はい!ずいぶんとすやすやお眠りになられていましたから、頭や首に負担をかけないためにと、膝枕してあげました。」
「そ、それはどうもご親切に…って、修剣学院ってことは授業あるだろ?戻らなくていいの?」
「今日は休みですよ、先輩!」
「そ、そっか…オレの部屋がどうなってるかとか、どこにあるのか教えてくれないかな?」
「はい、分かりました。でも先輩、何だか記憶喪失みたいですので、私が最後まで案内してあげますね!」
「ありがとう、助かるよ。え~と」
「マリナですよ。お付きの修剣士として、よろしくお願いいたしますね、先輩。」
こうしてオレはオレのことを先輩と慕う少女・マリナに連れられ、寄宿舎の自分の部屋へ向かった。
その間、オレは彼女に色々とこの修剣学院での規則を教えてもらった。朝食は早朝五時に食堂についてないと抜きにされる、備品を壊したら自身の所持金の半数で弁償する、などといったとてつもなく恐ろしい内容ばかり脳に刻まれた。
話しているなかで彼女は何度もオレの方を見ては笑顔を見せてくれた。
オレの身に何かあったのを知っているのか?それとも、ただ一人の女の子として…オレに向けてる笑顔なのかは分からなかった。
そうこう話しているうちにあっという間にオレの部屋についた。
―寄宿舎・馬宙の部屋―
「ここが先輩と私の部屋ですよ。」
「君もここの部屋なの?」
「お、お付きの修剣士…ですから。」
マリナは顔を赤くして説明した。
最初のコメントを投稿しよう!