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「私からいかせてもらうわ!」
サイアは昨日の戦いでも見せたようにソウルスキルを無詠唱発動させて、アリーゼにまっすぐ突っ込んでいった。
「相変わらず、女剣士のクセにバーサーカーじみたことを!」
アリーゼは剣を青く光らせ、サイアの剣を受け止めた。
「やるわね…でも今年の私は一味違うわよ!」
サイアはソニックで後退し、剣を地に突き立て、氷を発生させた。そして、その氷でフィールドをスケートリンクのような状態にした。
「…物語の舞台の完成だね。悪いけど、キミに首席の座を譲る気はなくてね…ボクはキミ以上に素晴らしい力を持つ剣士を二人ほど知っているのだよ!」
「へぇ…誰よ?」
アリーゼはソニックでサイアと鍔迫り合いを開始した。
「それを言ってしまうと、物語がつまらなくなる。それに、彼らは…キミと少なからずと言えど面識があるようだよ。」
「何っ…!?」
サイアはそのまま押しきられて吹き飛ばされ、自分が発生させた氷のフィールドで滑り転んだ。
「相変わらずキミはバーサーカーだ。少し心を揺さぶればすぐこれだ。だからキミは生徒会で一番弱いんだよ!」
アリーゼはそのまま濁流を発生させ、彼女を空中へ放り出した後、彼女に向け刀身から雷を発射した。 そして落ちてきた彼女に剣を向けた。
『勝者、生徒会長アリーゼ一級剣士!』
「また…負けた。」
「来期に期待しておくよ。」
―一方、陽輝は―
陽輝は大会が始まっているにも関わらずまだ巨木相手に剣を振っていた。その時、エルシアからの通信があった。
『先輩、アリーゼ先輩とサイア先輩の試合が終わりましたよ!』
「エルシア、その試合はどちらが勝ったの?」
『…アリーゼ先輩剣士の圧勝…です。』
「そうか、分かった。僕もケリが付き次第、すぐ向かう。」
(アリーゼ先輩…やはり首席としてかなりの実力者だ。いずれは剣を交えるんだよね。…いや、僕の相手はもう決まっている。僕の相手は…馬宙だ!)
~予告~
ついに迎えた三日目…上位十剣士選考会。早速サイア先輩剣士が負け、その後も大会が進んでいった。
僕を初めとする残った剣士は次々戦いを繰り広げていく。そして…
次回〈両師両弟の一戦〉
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