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―そして、その数分後―
『さぁ、皆さんお待たせいたしました!本大会の大トリを飾ってくれる二人の剣士の入場です!』
運営のアナウンスと共に馬宙と陽輝はコロシアムに立った。それに合わせて観衆の歓声もこれまでにないほど盛り上がった。
『それではご紹介しましょう、その速さのあまり追い付けた剣士はほぼいない馬宙剣士!対するは多数あるソウルスキルを自在に組み合わせて観衆を盛り上げた陽輝剣士!』
「馬宙先輩ー!頑張ってくださーい!」
「陽輝先輩…全力、ファイトですよー!」
『それでは両剣士よ、腰の剣を抜き、構えよ!』
アナウンスと共にコロシアム全体に沈黙が走った。
(陽輝…あの日お前に剣技を教えたのはオレだ!剣技なら、オレの方が上だ!)
(馬宙…君にソウルスキルを分かりやすく噛み砕いて教えたのは僕だよね。だから、ソウルスキルなら僕の方が上だ!)
『始めぇっ!』
(オレのここまで積み上げた剣技を!)(僕の作り上げたオリジナルの術を!)
((今ここで余すことなくぶつける!))
「陽輝ーーーーーーッ!」
「馬宙ーーーーーーッ!」
二人は相変わらず同じ構えから入ったため、鍔迫り合いを始めた。
しかし、力の差は互角なため、鍔迫り合いは前よりも長く、15分もの間続いた。
「さすがだな、陽輝。でも、これならどうだ?」
馬宙は力を抜いてそのまま陽輝に押しきられた…が、跳ね上げられた剣を逆手で持つと、陽輝の剣めがけて振り上げた。
しかし、陽輝もまた跳ね上げられた剣を逆手で持つと地面を滑らせ、火花を発生させた。
「これは…〈スライド・スパーク〉!?陽輝、何を?」
「僕は君に勝つ!そして、ソウルスキルを使いこなして見せる!」
「こっちも対策済みだよ、陽輝!」
馬宙は右目を開け、無詠唱で〈マイアームズポジション・スティール〉を発動した。 そしてその剣で陽輝を彼の剣も含めて上空に飛ばした。
「ぐっ…うぉぉぉっ!」
今度は陽輝が無詠唱で〈マイアームズポジション・ツインダガー〉を発動させて、急降下する勢いに任せて馬宙にその剣を振りかざした。
ガギンという木が削られるような音を鳴らしたものの、馬宙は陽輝のダガーによる一撃を見事に受け止めてみせた。
「陽輝が何をしたいのか…オレには分かるぞ!」
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