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「なるほど…修剣士ってことはやっぱり、剣の腕を磨くところなんだよね?」
「はい!その通りですよ、先輩!」
「じゃあ、早速で悪いんだけどさ、オレの練習相手になってくれないかな?」
「へっ?せ、先輩とですか!?」
「うん。何か思い出せそうな気がするんだ!頼むよ。」
馬宙は頭を下げた。
「分かりました。では、早速修剣場に行きましょう!」
馬宙はマリナに引っ張られ、修剣場に向かった。
―修剣学院・修剣場―
元々ここは現実世界では臨海高等学校だった。そしてこの修剣場は剣道場だった。
馬宙とマリナはそれぞれ修連用の木剣を手に取り、指定の位置に立った。
「え~と、マリナ…だっけ?手加減は無しにしてくれないかな?」
「では、最初から修剣士マリナ、本気でいかせてもらいます!」
ビュッ!
(…あの動き、どこかで見たことある。あれの受け止め方は確か…)
馬宙は体が覚えていたのか、マリナの一撃を簡単に防いだ。
「えっ?えっ?えっ?どうなってるの?オレこんなことできたの?」
「先輩…すごいですね、だけど、負けませんよ!」
マリナはすぐに後退し、今度は剣を右肩に乗せ、また勢いよく駆け出し、剣を至近距離で振り下ろした。
しかし、またしても馬宙はそれを受け止めた。
「うん、今ので分かった。オレは一度剣技について触れてる…だからかな、体が覚えてるみたい。」
「ねぇ、先輩。今度は 私のお願い聞いてもらってもいいですか?」
「いいよ、何かな。もしかして、手加減してほしいとか?」
「そうじゃないですよ!先輩からも攻撃してください!私はこれでも先輩の剣技を習う身なんですよ。」
「…分かった。ただ、君の期待に応えられる確信はないよ。それでもいいかい?」
「はい!先輩の全力を是非とも私に見せてください!」
マリナは満面の笑みで馬宙に頼み込んだ。
「よし…じゃあ、いくよ!」
馬宙はマリナと同じく駆け出したが、剣の構え方は明らかに彼オリジナルのものであった。
その構え方は、剣を逆手に持ち、それをそのまま後ろに持っていくというもので、この構えは王立騎士以外にやる者はいない程の希少な構えだった。
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