#01 修剣学院

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「前がガラ空きですよ、先輩っ!」 「思い出した気がするんだ。すごい前に友達と練習してた、スッゴいレアなやつさ!」 馬宙はさっきよりも晴れた表情でマリナにその技を披露した。 マリナはあっという間に剣を払い除けられ、唖然としていた。 そして、その場に座り込んだ。 「ど、どうかな…?うろ覚えだったんだ。」 ミリアはどこか涙を浮かべながらも笑っていた。 「しぇんぱい、しゅごいですぅー!」 ミリアは顔をくしゃくしゃにして、でも泣き笑いの混じった声で馬宙にこう言った。 「ひ、ひとまずは涙を拭こうよ、マリナ。」 「ふぁい、ありがどうございます…」 その後二人は少しだけ休憩を取り、後片付けを済ませて自分達の部屋に戻った。 ちなみに馬宙は先程の修連中もそうだが、過去の一件もあって右目の視覚を損失している。 そのため、剣技を打つときは一手一手大振りに打ち、歩くときは壁づたいじゃないとまともに歩けなかった。 「そういえば先輩、気になっていたんですが、いつから眼帯を?」 「いや、オレにも分かんないんだよ。ただ一つ分かったのは、その右目から出血があったってことくらいかな。さっき、やけに右手から鉄みたいな…血みたいな臭いがするって思ったら、思った通り右手に血がついてたんだ。」 「えぇ!?じゃあ、先輩の右目は…血まみれってことですか!?」 マリナは少しだけ震えていた。というのも年頃の女の子ならば当然と言ったところか。 一体何がオレの右目に出血させた?これだけはまだ思い出せてない。だけど、これだけひどい有り様なんだ…きっと、〈思い出すな〉っていう神様からのメッセージなんだろうな。 ―寄宿舎・馬宙とマリナの部屋― 「オレは一旦お手洗いに行って、手を洗ってくるよ。誰か来たら教えてくれよ。」 「了解です、先輩っ!」 馬宙はマリナにこう指示すると、先ほど教えてもらったルートでお手洗いに向かった。
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