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―修剣学院・図書室―
あの後オレは一晩過ごして、今はオレの側つきの修剣士マリナとオレの友達・陽輝とその側つきの修剣士エルシア・ファドモンスと一緒に図書室に来ていた。
「意外だったな…馬宙に側つきがいたなんて。」
「そういう陽輝こそ、側つきの修剣士いるじゃん。」
「えへへっ。もうすぐ最初の試験だ。それまでに使える術をもっと多くしておかないとね。」
「先輩…私、もう眠くなってきちゃいましたよぉ~…」
陽輝の側つきのエルシアは今朝早起きだったこともあってか、さっきからあくびばかりしていた。
しかしそれは馬宙の側つきのマリナもまったく同じでマリナの方に至っては、首が何度も上がり下がりを繰り返していた。
「何か…すごーく申し訳ない気分だね…」
「そ、そうみたい…だな。」
パタン
とうとう睡魔に負けたマリナとエルシアは机に突っ伏して寝てしまった。
「あ~…」「あ~…」
「「しょうがない…」」
馬宙と陽輝は本を持ってきた鞄の中に入れ、それぞれ側つきの修剣士を背中に乗せて一度部屋まで帰り、彼女たちをベッドで横にした。
―寄宿舎・廊下―
「ふぅ…側つきの修剣士も寝ちゃったわけだし、オレたちだけで練習するか…」
「二人には申し訳ないけど、そうしようか…試験も近いし。」
二人はそれぞれ苦笑いを浮かべて修剣場に向かった。
―修剣学院・修剣場―
「そう言えば陽輝は、何か術覚えたの?」
「いいや…覚えてないよ。 覚えてることといったら、小さい頃に馬宙に教えてもらった剣技くらいだよ。」
「だろうとは予想してたけど…本当に覚えてなかったとは…困ったなぁ…」
「まぁ、いいじゃないか。今のご時世、ソウルスキルが何一つ覚えられなくても剣技一つでどうにかなる時もあると思うし…」
「さっき廊下の掲示板に張り出されてた案内見た!?」
「う、うん。見たけど…」
「それでいてその口叩くのか!?」
「それもそうだね…って言うか、馬宙の方こそ、僕らはそれを覚えるために図書室から本を借りてきたんだろ?」
「…あれこれ言っても時間の無駄か。それに、マリナ達に先を越されるわけにはいかないしな。早速始めようぜ!」
「そうだね…!」
二人はそれぞれ剣を引き抜くと二人揃って同じ構えをした。前に馬宙がマリナに対して使った構えだった。
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