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「龍ヶ崎様の誕生日は……3月14日かぁ」
バイトの休憩中である高遠颯斗は、休憩室のテーブルに置いてあった最新のメンズファッション雑誌を何気なく手に取り、パラパラと目を通していた。
偶然、そこに書かれていたとある男のパーソナル情報が視界に入り、手が止まる。
「あれ……今日って、もしかして3月14日?!」
まさかの事実に、今更ながら気付いてしまう。
龍ヶ崎様……昨日LINEでやり取りしたけど、明日が誕生日だなんて一言も言ってなかった……!
知らなかったとは言え、誕生日に何も無いのはやっぱり不味いよな……
一応、俺も1輪だけど薔薇を貰ったし……
真面目で律儀すぎる性格の俺は、休憩室の時計に視線をやる。
「プレゼントを買いに行くにも、もう休憩が終わるまで10分か。バイトが終わる頃には、お店も閉まってるしなぁ。もっと、早く気が付けば良かったな」
自分しかいない休憩室で、大きな独り言を思わず呟きながら後悔と焦りにより頭を抱える。
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